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ケアラー体験記
介護が終わってからのこと
朝の食卓と、母の声
みや
2026.09.14
母を見送ってから、まだそれほど日が経っていない。
朝、台所で一人、朝食の支度をしているときだった。ふと目をやった先の食卓に、母の笑顔が見えた気がした。
「少しはゆっくりしなさいよ」
耳の奥で、聞き慣れたあのやさしい声が聞こえてくるような気がした。
母を介護していた頃は、ずっと心の中に小さな怖さがあった。
もし母がいなくなってしまったら、自分は一体どうなってしまうのだろう。
寂しさに押し潰されてしまうのではないだろうか。
そんな不安が、どこかにずっと影を落としていた。
けれど、実際に見送った今、心を満たしているのは思っていたものとは違っていた。
自分の手でしっかりと向き合い、やり切ったという静かな達成感。
そして、目には見えなくても、母がいつもすぐそばで見守ってくれているような、
不思議な温もり。
姿は見えなくなったけれど、母はどこか遠くへ行ってしまったわけではないのだと思う。
思ったよりも寂しくない自分に気づき、今、心からホッとしている。
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