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誕生日、浴室で交わす温もり

neru

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2026.09.06

母がグループホームに入居した当時、慣れない新しい環境になかなか馴染めずにいる母のために苦肉の策として思いついたのが、私がホームへ赴き、一緒に入浴介助をさせてもらうことでした。
その小さな一歩が、翌年からは母の誕生日に「母と楽しめる特別なイベント」として、施設側にも温かく受け入れてもらえるようになったのです。

私には、この入浴介助に込めたもうひとつの切実な目的がありました。
それは、母の全身をくまなく自分の目でチェックすることです。
週に1度の面会時にトイレや着替えの介助をさせてもらってはいたものの、やはり浴室という場所で見る全身の姿こそが、老いの変化を一番直に感じられる場所だったからです。
同時に、浴室の安全管理や日々の清掃状況なども、家族の目でしっかりと把握しておきたかったのです。
そんな私の思いを、ホーム長さんは一切否定せず、快く受け止めてくださいました。
そのことが、どれほど私の心を救ってくれたことでしょう。

介護職員の皆さんにとっても、いつもの自分たちのペースで介助を進めるほうが時間的にもよほどスムーズなはずです。
それにもかかわらず、私を温かく迎え入れ、慣れない私に介助の仕方を一つひとつ丁寧に教えてくださるのです。
湯船にゆっくりと浸かる母の隣で、職員の皆さんは「今年も娘さんと一緒で良かったですね。お誕生日おめでとうございます。来年もまた楽しみですね。」と、まるで自分のことのように心から温かい声を掛けてくださいました。

そして、お風呂上がりの広い脱衣所。
母の髪をドライヤーの優しい風で乾かしているとき、胸が熱くなり、言い知れない幸福感に包まれます。

「このグループホームを選んで、本当に本当に良かった。」

関わってくださるすべての皆さんへの深い感謝を胸に、私たちは今年も、温かな笑顔に囲まれて穏やかな母の誕生日を迎えることができました。ありがとうございました。