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離れていても、同じ歩幅で ― 記憶と記録をつなぐ月1回の往復書簡

neru

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2026.09.06

母のグループホームでは、外来受診の際に預けている保険証とお薬手帳を受け取り、受診後に処方箋と一緒に返却する決まりになっていました。
その受け渡しのたびに私には必ず大切にしているルーティンがありました。

受診前にまずお薬手帳を開いて処方薬の内容をしっかりと把握し、診察の帰り道は母と一緒にいつものファミレスへ。
食事を共にした後、1枚のA4用紙に向き合います。
そこには、受診の詳しい内容や医師からのアドバイス、そしてその時に抱いた率直な気持ちをありのままに書き留めました。
そうして綴った手紙を、処方箋にそっと添えてホームの看護師さん宛てにお渡しするのです。

ファミレスの穏やかな空間でペンを走らせる時間は、不安や孤独を抱えがちだった私の心を深く救ってくれました。
ホームに戻る前には必ずコピーを取って保管し、あとから何度も読み返しています。
「母は決して急に老いてしまった訳ではない。あの時あんなことがあって、私はこう感じていたんだ」という歩みの軌跡を、曖昧な記憶ではなく確かな記録として残したかったからです。

不安に押しつぶされそうだった日も、ささやかな嬉しさに胸を熱くした日も――私の喜怒哀楽が詰まったその手紙は、看護師さんをはじめ、ホーム長さん、ケアマネジャーさん、介護職員の皆さん、そして訪問医師の先生方にまで温かく共有されていました。
時には温かいお返事をいただいたり、週末に母を訪ねた際に直接お声掛けいただいたりして、その優しさがどれほど私の心を支えてくれたことか計り知れません。

周囲の温かい眼差しと確かな記録に包まれながら、私たちは今日も、心を通わせ合いながら穏やかな時間を重ねています。