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「ビジネスケアラー」から「ワーキングケアラー」への切り替えの促進を求める声明
CC管理人
2026.08.24
私たち全国介護者支援団体連合会は、2014年の発足以来、
・介護者支援の社会的認知を高めること
・介護者支援に関する施策・制度の実現
・各地域における介護者支援活動の充実と、その発展に寄与すること
を目的として、全国の介護者支援団体が互いに研鑽し、連携しながら10年以上にわたり活動を続けてまいりました。
当連合会の活動の一つである所属団体の交流会において、近年、行政やメディア等で目にする「ビジネスケアラー」という用語に対する強い違和感が議論となりました。
各支援団体からは、当事者の声として、「“ビジネス”と言われると自分ごととは思えない」「自分たちの命がけの営みを、市場の損得勘定で捉えられているようで受け入れられない」といった切実な声が寄せられています。
こうした声は、一部の個人による感情的な反発として片付けられるものではありません。支援の現場に関わる多くの当事者が、「ビジネスケアラー」という言葉に対して疎外感や強い違和感を抱いていることを、私たちは重く受け止めています。
介護は、誰にとっても人生の中で直面し得る営みです。そして、仕事を続けながら家族等のケアを担う人々は、経済活動の担い手である以前に、それぞれの生活や人生を生きる一人の人間です。その人々をどのような言葉で表すのかは、単なる呼称の問題ではなく、社会が介護者をどのように捉え、どのように支えていくのかという姿勢にも関わる問題であると考えます。
こうした認識のもと、当連合会は、ケアラー支援を推進する立場として、当事者から寄せられている切実な声を広く社会に届ける必要があるとの結論に至りました。
そこでこのたび、全国介護者支援団体連合会と、共に介護者支援に取り組む一般社団法人日本ケアラー連盟は、連名で、以下のとおり「『ビジネスケアラー』から『ワーキングケアラー』への切り替えの促進を求める声明」を発表いたします。
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「ビジネスケアラー」から「ワーキングケアラー」への切り替えの促進を求める声明
「仕事をしながら家族等の介護をする人」について、2023 年より「ビジネスケアラー」という呼称が用いられてきましたが、私たちはこれに替わり「ワーキングケアラー」を用いるよう広く社会に訴えます。
1.経緯
わたしたちケアラー支援団体では、仕事をしながら介護をする人について、ケアラー支援の先進国イギリスにおける「 Working Carer 」に倣い、「働く介護者」「ワーキングケアラー」と呼んで、活動をつづけてきました。
一方、 2023 年経済産業省の「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」においては「ビジネスケアラー」の呼称が現れ、メディア等で広く用いられることとなりました。
「働く介護者(ワーキングケアラー)」の問題が政策課題として取り上げられ、世間に認知されること自体は、とても喜ばしいことですが、「ビジネスケアラー」という呼称については、当事者(ケアラー)も支援団体も大きな困惑がありました。「ビジネスパーソン」「 ビジネスクラス」という言葉からも分かる通り、「ビジネス」という語には、実業家や、企業組織の中でも上級管理職や経営陣などを指すイメージがあり、現場労働や自営業、非正規雇用等の人たちも含めた労働者一般を指す言葉とはいえません。
実際、この問題について話し合った際、当事者たちからは、「フリーランスの私はビジネスマンじゃないから当てはまらない」「ビジネスはホワイトカラーの方たちを指していて(非正規で働く女性の)私のことではない」「“ビジネス”と言われると自分ごととは思えない」「自分たちの命がけの営みを市場の損得勘 定で片付けられているようで受け入れられない」などの声が聞かれました。
そのため、わたしたちは「ビジネスケアラー」に代わり、「ワーキングケアラー」の呼称を用いるよう、各所に働きかけていました。
2.現在の状況
そうした活動が実り、内閣府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針 2025 )」や経済産業省の 2026 年改訂版「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」において、「働く介護者」「ワーキングケアラー」などの呼び方が用いられることとなりました。私たちの訴えを受け止め、呼称変更に向けて ご尽力いただいた関係者のみなさまに、感謝申し上げます。今後、他の省庁や自治体等においても「ワーキングケアラー」が用語として定着していくことと思います。
一方、メディア等ではいまだ「ビジネスケアラー」と「ワーキングケアラー」が混在している状況です。こうした混乱をなくし、働く介護者の存在を社会として認識し、支援するためにも、「ワーキングケアラー」への呼称統一を 広く社会へ訴えます。
2026年 8 月 10 日
全国介護者支援団体連合会
一般社団法人日本ケアラー連盟
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言葉は、社会の認識や文化を形づくり、政策のあり方にも影響を与えます。
いま社会に求められているのは、経済活動の担い手としてだけではなく、一人の生活者、一人の人間としてケアラーに寄り添う「ケアラー支援」のまなざしです。
当事者自身が「これは自分たちのことを表す言葉だ」と受け止めることのできる言葉を用いることは、ケアラーへの社会的理解を広げ、真に必要とされる支援を実現していくための大切な一歩であると考えます。
国、自治体、メディアをはじめとする関係機関の皆さまにおかれましても、当事者の声を十分に受け止め、「ビジネスケアラー」という呼称について改めて検討いただくとともに、「ワーキングケアラー」という呼称への切り替えを進めていただきますよう、声明に重ねて切にお願い申し上げます。
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