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離れているからこそ、見つめ合えたこと ― 母のSOSと娘の決断

neru

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2026.06.27

グループホームでの生活が始まり、4ヶ月が経った頃でした。
母の立位が心なしか不安定になっていることに真っ先に気づき、私に伝えてくださったのはホームのスタッフの方々でした。
「年齢によるもの」と片付けてもおかしくないような些細な変化を、プロの目線で見逃さず見守ってくださっていたことに、深く感謝しています。

その報告を受けた時、私の胸には複雑な感情が渦巻いていました。
かつて7年間、在宅で介護をしていた頃の私は、物理的な距離がない代わりに、心身を削り尽くす毎日の中にいました。
施設介護に移行したことで、私には以前よりも精神的な「余裕」が生まれました。しかし、それは同時に、母から物理的に離れて暮らしているという言いようのない「後ろめたさ」と背中合わせでもありました。

「離れている分、誰よりも母の身体の真実を理解し、最善を尽くしたい」。
そんな葛藤と祈りのような想いが、私を突き動かしました。私はすぐに施設の車椅子を借りて整形外科を受診しました。
「歳のせい」と諦めるのではなく、母の不調を主観的な不安としてではなく医学的な事実として捉え、施設と家族が一体となって取り組む「プロジェクト」にしようと決断したのです。
自らの意思で納得できるまで徹底的に向き合いたく、エックス線、尿検査、腰部MRI検査、そして骨密度測定など、精密な検査を強く希望しました。

診断までに約1ヶ月の時間を要しましたが、その期間は母の状態を冷静に把握し、最善の対策を練るための「静かなる準備期間」となりました。
下された診断は「腰部脊柱管狭窄症」。神経の損傷はなく、骨密度と骨盤底筋の低下が主因であるという結果は、頻尿や失禁といったデリケートな症状に対する改善の希望でもありました。

医師による医学的な診断と、処方された薬、生活の注意点という具体的な対策が見えたことで、不安を抱く時間は終わり、チームとして母を支える体制が整いました。
不安に泣くよりも事実を受け入れ、次に進むための視点を持つこと。
私にとって何よりも大切な母の身に起きている課題に真正面から取り組むことこそが、離れて暮らす娘としての、最も誠実な介護のあり方だったのです。