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我が家の初詣は、形を変えて続いている

Coco

2026.03.24

我が家では、私の記憶があるころから毎年、東京の赤坂にある日枝神社へ初詣に行くのが恒例だった。埼玉から向かうので、それなりに時間もかかるし、母の足腰が弱ってからは、電車で連れていくのも簡単ではなかった。エレベーターやエスカレーターの場所を調べて、できるだけ歩かなくてすむルートを考えながら出かけていた。

それでも次第に限界を感じるようになり、思い切って介護タクシーに相談してみた。「もちろん」と言って引き受けてくれたときの安心感は、今でも忘れられない。

赤坂の日枝神社は小高い場所にあり、正面の階段は急だ。エスカレーターはあるものの、たどり着くまでが大変だった。でも介護タクシーは、その坂の上まで連れていってくれる。一般車両は入れない場所でも、福祉タクシーなら神社の入口まで行ける。

初めて介護タクシーで初詣に行ったとき、私は少し泣いてしまった。
電車で連れていく大変さも、続けてきた習慣への思いも、全部が重なっていた。お金はかかるけれど、母を楽に連れていけること、同じ場所でまた思い出を重ねられること、写真を撮って残せること。そのすべてが、ありがたくて仕方なかった。

コロナ禍をきっかけに、1月2日の初詣は難しくなり、今は桜の時期に日枝神社を訪れるようになった。開花情報を見ながら介護タクシーを予約するのは簡単ではないけれど、桜を背景に母の遺影を更新する時間は、我が家にとって大切な行事になっている。

母を毎年、日枝神社に連れていけること。
それは、ただの外出ではなく、日枝神社への報告のように感じている。
「今年も見守っていただいてありがとうございました」と言えること。
その奇跡に、私は心から感謝している。