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石原裕次郎さん大作戦:スマートリモコンで母をロックオンした話

Coco

2025.12.02

母が通所介護から戻ってきて、私が帰宅するまでの数時間。
この時間帯は「帰宅困難なお出掛け」いわゆる“徘徊”が起こりやすい、もっとも緊張する時間でした。

私は働いていたので、見守りはできません。
そこで導入したのが
見守りカメラです。

見守りカメラがあるからと言って、お出掛けが無くなるわけではあえいません。
玄関を通過したことがわかれば、
朝であれば通所介護のスタッフ
夕方であれば警察に連絡できます。

とはいえ夕方の対策は警察に頼ってばかりもいかず、どうしたものかと考えました。
めっちゃ考えました。

そんな中で編み出したのが――
『石原裕次郎さん大作戦』 です。



■ 母の“好き”を徹底的に活用する作戦

母は石原裕次郎さんが大好き。
小樽の「石原裕次郎記念館」には、これまでに二度連れて行ったほどです。
DVDになっている裕次郎さんの映画は全て揃えてあり、その中でも 「赤いハンカチ」 は、なぜか特別に食いつきが良い。

そこで思いついたのです。
「帰宅後、裕次郎さんでロックオンすればいいんじゃない?」と。



■ スマートリモコン&見守りカメラのフル活用

我が家には玄関とリビングに見守りカメラを設置してあり、
離れていてもスマホから母の動きが確認できます。

そしてスマートリモコン。
これが大活躍しました。

通所介護から母が戻る時間になると、私はスマホを2台立ち上げます。

1台は「玄関カメラ」
もう1台は「リビングの照明・テレビ・DVD操作用」

① 母が玄関に上がったのをスマホで確認
② リビングカメラに切り替え
③ スマートリモコンで照明ON
④ テレビON
⑤ DVDプレーヤーON
⑥ 裕次郎さんの映画スタート!

あとは、見守りカメラ越しに母が画面に吸い込まれるのを確認するだけ。

「赤いハンカチ」のタイトルが画面に映った瞬間――
母が映画に集中し始める。

この瞬間、心の中でガッツポーズです。



■ 「赤いハンカチ」の圧倒的ロックオン力

なぜか「赤いハンカチ」が一番ロック率が高い。
他の作品だと途中で立ち上がるのに、
この作品だけは最後まで見てくれる。

理由はわからないけれど、
母が笑顔で裕次郎さんに見入っている姿を見ると、「裕次郎さんありがとう…」と拝みたくなるほどでした。



■ 効果絶大。お出掛けゼロに

この大作戦のおかげで、
通所介護から戻った直後の“帰宅困難なお出掛け”はほぼゼロになりました。

裕次郎さん、大感謝です。
推しの力って本当にすごい。



介護は、時に“見守る側の根性”だけではどうにもなりません。
だからこそ、
「本人が好きなもの」「夢中になれるもの」 を見つけて、環境ごと活用した方がうまくいく。

母の場合、それが裕次郎さんでした。

これからも“好き”の力を借りながら、
母の安心と私の生活のバランスを取っていきたいと思います。