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ケアラー体験記
ケアラー喜怒哀楽
「次女さん」ではなく、私には名前があります
Coco
2025.11.16
母の介護を始めて、もう二十年以上が経ちました。
母が病気になり、通院に付き添ったり、入院手続きをしたり、医療カンファレンスに参加するようになった頃、私はよく「ご家族様」と呼ばれていました。名前を知らないのだから仕方ない、とむず痒さを感じつつも受け入れていました。
ところが、介護が本格的に始まると、呼ばれ方は「ご家族様」に加えて「次女さん」になりました。
そのたびに胸のどこかに引っかかりが生まれました。
確かに私は次女です。でも、「次女さん」と呼ぶということは、私の家族構成を把握しているということ。そこまで知っているのなら、名前で呼べばいいじゃない…そう思ってしまうのです。
私は独身なので、母と同じ苗字です。
だから「苗字で呼ぶとお母さんと区別がつかない」という理由なのかもしれません。でも、「次女さん」呼びだけは、どうしても受け入れ難い。
私はケアスタッフとは名前で呼び合いたいし、初めて会うスタッフにも
「お名前、教えていただけますか?」
と丁寧に尋ね、しっかり覚えるようにしています。
近年は個人情報の問題で名札を付けないスタッフも増え、こちらが名前をたずねると「え…何かクレームですか?」という反応をされることもありますが、無理に聞くつもりはありません。
ただ、人として、互いを尊重したいだけ。
名前で呼び合うことは、関係づくりの“最初の一歩”だと思うから。
相手に同じことを求める気はないけれど、それでも「次女さん」と呼ばれるたびに、胸の奥がざわつく。
家族の位置づけでしか見られていない感じ。
母の介護者としての私ではなく、「次女」という役割だけが前に出される感じ。
私は「次女さん」ではなく、「coco(仮名)という一人の人間」です。
※
ケアプランなどに「次女」って書かれるから「次女」をあえて使っていますが
私は続柄に「次女」とは書きません。「二女」と書きます。
父のこだわりで
「お前は『次の子』じゃない。『私の2人目の子』だ」ってねw
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