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住み慣れた町ってなんだろう??

Coco

2025.11.09

町が変わっていくことについて、最近よく考えています。
「住み慣れた町で最期まで」という言葉をよく耳にしますが、
私の住んでいる町は、もう“住み慣れた町”ではなくなりつつあります。

最寄り駅前は大規模な再開発で、何がどこにあったのか思い出せないほど景色が変わりました。
久しぶりに遊びに来た友人が、「変わりすぎて迷う」と言うほどです。
田舎でも同じで、山は切り崩され、田んぼは枯れていきます。
どの町も生き残りをかけて変わろうとしているのは理解できます。

私は、便利になるなら許容できます。
ただ、その変化の多くは“市民のため”というより、
行政や企業の事情で進んでいるように見えることがあります。
そこに、生活者──特に介護をしている家庭が置き去りにされている感覚があります。

母の介護をしていると、
町の変化は自分の生活だけでなく、母の暮らしやすさにも直結します。
バリアフリーだった場所が工事で歩きづらくなったり、
慣れていた道が突然消えてしまったり。
「住み慣れた町」が、まるで別の町のように変わっていくたび、
心の中に複雑な気持ちが湧きました。

それでも、私は思うのです。
住み慣れた町が変わるのを嘆くより、
“住みやすい町”や“住みやすい家”を選ぶことの方が、
高齢者にとって幸せなのではないかと。

こだわりを手放すことは簡単ではないけれど、
変わってしまう町にしがみつくより、
暮らしやすい場所に移るという選択肢も、
もっと自然に語られていいのではないかと感じます。

町は変わります。
人も変わります。
だからこそ、「住み慣れた町」よりも「住みやすい町」を選ぶ柔軟さが、
これからの介護には必要なのかもしれません。