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ケアラー体験記

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我が家の介護生活にずっと伴走してくれる訪問看護師

Coco

2025.11.03


私が訪問看護というサービスを使い始めたのは、今から約15年前、介護保険を使い始めた当初からお願いしています。
当時は介護保険の仕組み自体がよくわからず、特に医療保険との区別には戸惑いました。

訪問看護を入れたかった最大の理由は、母が重度のうつ病だったからです。
精神科の診察が2ヶ月に一度しかなかったため、それだけでは心もとなく、母の健康を日々一緒に見てくれる人が切実に欲しかったのです。
制度理解もままならないまま、とにかく自宅に来てくれる訪問看護サービスを探し始めました。

利用開始からしばらくは、正直なところ「一体どこまで頼んでいいのだろう」と業務範囲がわからず、
連絡ノートでのやり取りが主でした。
訪問看護師さんが、ある日、「お薬の管理もしましょうか」と提案してくださったのです。

その一言を聞いたとき、「そんなこともしてくれるの!?」と驚きと同時に、心底ホッとしたのを覚えています。
なぜなら、私はお薬の管理がひどく苦手だったからです。
母は当時、たくさんの薬を服用しており、それを一錠ずつ分ける作業は大きな負担でした。
しかも、薬は間違えれば命に関わる重要なことです。
それを専門職である看護師さんが引き受けてくださるのは、まさに救いでした。

看護師さんはすぐに具体的な工夫を提案してくださいました。
複数の薬を服用時間ごとに一つの袋にまとめてもらう「一包化」という方法があることを教えていただき、
医師に相談して手配しました。
さらに、お薬カレンダーやお薬ボックスを準備し、配薬は看護師さんが担ってくれるようになったのです。
私は、カレンダーやストック袋といった設備面を整えるだけでよくなりました。

しかし、私が本当にこの看護師さんを「命の恩人」だと実感したのは、その後、幾度となく発生した危機の時です。
母が洗剤を誤飲したり、
お薬を間違えて大量に飲んでしまったりしたことがありました。
また、入院して退院してきた際には、退院処方薬が大量になり、私一人では整理整頓が全く手に負えなくなってしまいました。
そんな時、私はパニックになりながらも、すぐに看護師さんに連絡し、緊急で来てもらい薬を整理してもらったのです。

あの時の焦燥感と、すぐに指示を仰げる安心感は忘れられません。
看護師さんは常に落ち着いてテキパキと対応し、我が家の危機を乗り越えさせてくださいました。

実は介護保険の利用当初から、ずっと変わらずの看護師さんなのです。
ステーションの所長のご配慮にも感謝しかありません。

この看護師さんとの出会いは、私の介護生活の最大の財産です。
今では、薬の管理だけでなく、朝、母の熱が高かったときなど、自分では次の行動が何も考えられないような時でも、まず看護師さんに連絡し、指示を仰ぐという行動が定着しています。

この経験を振り返ると、介護において医療職がケアチームにいることの重要性を痛感します。
制度の複雑さや、母の服薬事故の危機は本当につらかったですが、それを上回る大きな「うれしい」は、この信頼できるパートナーを得られたことです。
訪問看護師さんは、もはや私にとって、母の健康を守り、私自身の介護負担を軽減し、この生活を継続させるための「生命線」であるのです。
「マジで辞めてもらっては困る!」という、感謝と依存が入り混じった強い気持ちで、今もこの関係を大切にしています。