【第5回議事録】働くおひとり様介護とケアマネージャーの関係

2014年07月19日

今日の参加者

[日時] 7月19日(土)14:30から [場所] 阿佐ヶ谷・アラジンのケアラーズカフェで行いました。 [参加者] 女性13名、男性2名。年齢層は30代から50代。 記者の方、オブザーバー、アラジンスタッフも含みます。 (詳細は控えさせて頂きます。) メインテーマは「働くおひとり様介護とケアマネージャーの関係」です。 非常に白熱?した議論が繰り広げられました。 ※ケアマネージャーを以下ではケアマネと表現しております。

現在ケアマネとどんな関わりを持っていますか。

・月1回の訪問でケアプランを持ってきてくれる時に会う程度。 ・月1回の訪問でケアプランを持ってきているらしいが、ここ数カ月会っていない。 ・要介護者と相性が悪いため、要介護者との接触がなく家の前まで訪問にきて「特に変わった様子はないようです」と報告がある。(遠隔介護) ・関わりたいけど、どんな風に何を関わっていいのかが分からない。 ・ケアプランを作るだけならマイケアプランで十分なのではないか。 ・要介護者が入院したので「では契約は打ち切りです」と言われた。 ・介護施設を探したいときに電話した。(探してくれたわけではない) ・要介護者を散歩に連れ出してくれる。 ・何か気になることがあれば、電話をくれる。 ・介護者にも気を使って、買い物とかの車を出してくれると申し出てくれる。 ・友達感覚で親しい感じで付き合ってくれる。 ________________________________________ 最初の議題で大きくわかれましたね。 ケアマネに満足している派と不満がある派と。 お散歩に連れ出してくれたり、気になることがあれば電話をくれるケアマネもいれば 要介護者が入院になったがゆえに「契約は打ち切りです」と事務的な対応を取られる場合もある。 また、ケアマネに質問しても明確な回答が得られず、結局介護者自身が調べて行動した方が早いとおっしゃる方もいらっしゃいました。 そして、とても大きな問題として 「そもそも、ケアマネって何をする人なの?」という疑問。 各々のケアマネとの関わり方からみても、これほど大きな差があります。 やはり介護保険サービス利用の一番最初に、「ケアマネの仕事とは?」を説明することで疑問は大幅に解消されるのではないでしょうか。 第4回でも話題になっていましたが、説明用の分かりやすいツールを制度側で用意するのが効果的だと思います。

ケアマネと介護者の認識の相違について話し合いましょう。 ~先日行われた「アラジンフォーラム2014」の報告をもとに

この議題では、まず「アラジンフォーラム2014」におけるケアマネの立場からの発表をもとに、 ポイントとなる部分を抜粋して紹介しました。 ・ケアマネージャーの支援対象はあくまでも「利用者」(=要介護者)  アセスメントによる家族情報は23項目中1項目の「介護力」のみ。  ケアマネ教育における家族関連の配分は194時間中6時間のみ。 ・ケアマネージャーが家族支援に配慮する例  「家族自身が支援なしに生命維持、安全確保できない」場合。 ・介護者の仕事に関することは通常の家族支援の対象にないので自らアピールしてほしい。 つまりは、「介護者は要介護者に比べれば自立できている。なので必要であれば自ら声をあげろ」ということらしいのですが・・・。 そもそも「ケアマネが何をする人なのかわからない」と言っている介護者が多い中、 「何をして欲しいか」「自分はどうしたいか」を自ら声を上げろというのは少々酷な気がします。 フォーラムに参加した介護者からも「ケアマネとの認識にズレを感じた」という声がありました。 しかし、この温度差が今の現実なのです。 であるならば、今現在、目の前に要介護者を抱え、自分の人生をどう構築するかに悩んでいる介護者は、 このズレをどう捉え、ケアマネとどう付き合っていけばいいのでしょうか。 ____________________________________________ ・職場からちょくちょくケアマネに電話するしかない状態なので、メールでも連絡したい。  メール対応が可能か否か聞いてみたことがないので、まずは聞いてみる。 ・こまめにケアマネに連絡してコミュニケーションをとる。  実はその方が、ケアマネもプランが立てやすいと言われたことがある。 ・そもそも疾患に対する治療がケアプランの根底にあるので、医師や看護師からケアマネを動かす。 ・やって欲しいことはダメもとで何でも聞いてみる。 ・介護度の認定調査の際は、医者の意見書が重要といわれている。  よって、会社を休んででも医者と面談をして根回しをする。 ・認定調査はあえて要介護者の疲れがでる夕刻にしてもらう。 ・ケアマネに言われるがままでは駄目。勉強も必要。  このようなミーティングに参加するもよし。ネットや本で勉強するもよし。 ・人と人のことなので、自分もコミュニケーションを見直してともに成長していくべき。 ____________________________________________ 私はかつてケアマネを変えました。 当時のケアマネは男性でした。 ケアプランに対しての提案はないし、動きは遅いし、何よりも家に入ってほしくない!と生理的に受け付けなくなってしまったのです。 しかし、そのまま「生理的に受け付けないので変えてほしい」では、 私の主観だし、そもそも人として言ってはいけない言葉です。 そんなとき、アラジンで出会った先輩介護者が 「ケアマネは一生のお付き合いなのよ。お母様は女性だから、将来的にシモの話になった時に、 ケアマネが男性だと言いにくいでしょ。だから女性に変えてください。と言ったらどぉ?」 と教えてくださいました。 つまり、欲しい結果が得られるのであれば、話の中心を介護者ではなく要介護者にすることで、 ケアマネが支援対象のための問題と認識してくれて 要望が通りやすくなることがあるのですね。 また、介護経験者からの情報は必須ですね。 ケアマネに頼りきりではなく、時間が許す限り、体力に余裕があるときは自ら情報を取りにいくことも、 賢く介護をするコツなのかもしれません。

「働く」と「介護」の両立を可能にするためには、ケアマネにはどのような関わりを期待しますか。 またはどんな支援をしてほしいですか。

・プロとして長期スパンでケアプランを提案してほしい。 ・知識とケーススタディから検証して、今後の介護生活に予測を立てて、  そのうえで我が家に適した介護のあり方を早めに提案してほしい。 ・認知のスピードを遅くしたいので、そのために「どのような生活をしたらよいか」など個人レベルで提案してほしい。 ・介護度は少しオーバー気味に考えてほしい。  介護保険適応額ギリギリでプランを作っておくと、いざというときに自費負担になってしまう。  いざというときのクリアランスも考慮したうえで、ケアプランを提案してほしい。 ・どんなサービスがあって、実際我が家の場合はどんなサービスが受けられるのか提案をしてほしい。 ・こちらの要望が介護保険サービス範囲を超えてしまうのであれば「できない」で片付けるのではなく、  自費負担サービスや地域の生活支援サービスなど「どこならできるか」の情報提供をしてほしい。 ・ケアプランや今後の見通しなど選択肢をいただいたうえで、今後の準備をどうするか自ら選択したい。 ____________________________________________ 参加者の発言でとても印象的だったのが「プロの仕事」という表現です。 「プロの仕事をしてほしい!」という切なる願いが発せられました。 我々も働いています。プライドをもって働いています。 すなわち責任と誇りを持って働く社会人として、 自分と同じような仕事への向き合い方をケアマネに求めたくなるのは当然のことだと思います。 介護者が笑顔でいることが要介護者の幸せだと私は考えています。 ケアマネの仕事も要介護者の幸せ(満足)を考える仕事だと認識しています。 どんな環境を整えれば要介護者の満足度は高まるのか? そのとき「介護者(家族)」という要素が与える影響はどれだけ大きいのか? そういった観点をもって プロの仕事をしてほしい=要介護者に向き合ってほしい というメッセージだと思ってケアマネの皆さまには受け止めていただけたら幸甚です。