【第4回議事録】働きながらの介護って現実的に可能?

2014年05月17日

今日の参加者

[日時] 5月17日(土)14:30から [場所] 阿佐ヶ谷・アラジンのケアラーズカフェで行いました。 [参加者] 女性10名、男性4名。年齢層は30代から50代。 記者の方、オブザーバー、アラジンスタッフも含みます。 (詳細は控えさせて頂きます。) メインテーマは「働きながらの介護って現実的に可能?」です。 前回にも増して熱い話し合いが行われました。

働きながらの介護は何が一番ネックなのか。

・行政手続きや病院付き添いで会社をちょくちょく休まなくてはならなかったことがつらかった。 ・介護休業を利用するとき、①退職との二択②復職できるか③このタイミングでいいのか悩んだ。 ・家事や手続き、施設への訪問で休日が終わってしまい、自分の時間を持てない。 ・自分が病気になれない。 ・17時に終わる仕事なんかない。残業のときは誰が要介護者の面倒をみてくれるのか。 ・デイサービスに行っても帰りが早いし目が離せないので、フルタイムでは働けない。在宅にした。 ・仕事中でもプライベートと気持ちの切り替えができない。今後を考えてしまい不安やストレスで抑うつ的になる。 ・実は公務員でも介護休暇がとりにくい。  入院付き添いや訪問看護対応のために申請すると「あなた以外にも看護者がいる」と言われてしまう。 ・仕事中に要介護者が不安になって電話してきてしまう。 ・要介護者の子供であろうと、同居していなければ他人事。 ______________________________ 「自分以外に介護に関わってくれる身内がいない」 「目が離せないしデイサービス送迎時には在宅する必要があるのでフルタイムで働けない」 という声は数名からあがりました。 また「介護者は病気になれない」という声はいつも耳にします。 これが、おひとり様介護の現実です。 孤立を防ぐための支援や、より柔軟なサービスの整備が課題として求められそうです。

働く介護者として状況を改善するために起こしたアクションはある?

・気持ちの切り替えが上手になった。 ・このミーティングに参加したおかげで情報を得た。 ・仕事を翌日に残さず片付けるようになった。 ・会社を休んで効率よく役所や病院回りをするために、下調べをするようになった。 ・自分の生活を組み立てることで、介護に振り回されないようにした。 ・自分の病気で入院が必要になった時、要介護者と一緒に入院できるシステムがあることを教わった。 ・ご近所の方に少額のお礼を払って見守りをしてもらった。 ・NPOの提供する介護保険外のサービスを利用した。 ______________________________ 「介護をきっかけに、仕事の取り組み方を変えた」というお話は印象的でした。 また、情報取得の方法や手続きの効率化など、 「働いていた(いる)経験」があるからこその発想なのではないかと感じました。

働きながらの介護を現実的に可能にしていかないといけないのですが、 どんな取組みが必要、またはあったらいいなと思いますか?

【政策に対して】 ◆介護が終わってからの生活保障 ・離職してしまっても、保障があれば在宅介護に専念できる。 ◆介護と仕事をいつまで両立できるか ・今の状況で自分が年をとったときの不安が大きい。 【行政機関に対して】 ◆窓口対応時間の拡大 ・土日はもちろん平日も早朝窓口、夜間窓口を設置。シフト制にすれば対応できるのでは? ◆女性応援施策を子育てだけでなく介護にも適用 ・「子育て応援券」のように「介護者応援券」も発行してほしい。 ◆行政手続きのインターネット受付を作ってほしい。 【企業に対して】 ◆社内制度の整備に介護経験者を任命する ・介護に関わった人にこそ社内制度を見直し、提言してもらいたい。 ◆業務を代理対応できる体制の整備 ・自分の仕事を誰もわからない状態は問題。短期間なら代理できるようチーム/兼務体制にする。 ◆「勤務=出社して在席」の概念を捨てる ・介護を理由に有給休暇を取ると「本当に?」など疑われたり許可を渋ったりされるのはその概念のせい。 ・勤務時間ではなく実績で評価する。 ・在宅でも出社と同様に業務をこなせるようにするにはIT技術で実現できる。 【その他】 ・メディアでの「介護」の取り上げ方を明るいものにしてほしい。 ・ヘルパー業者にも工夫をしてほしい。 (日替わりで別のヘルバーが来ると、要介護者も疲れてしまう。)

「ケアマネ」に対する取り組みにも要望が!

「ケアマネが行政窓口に同行したりノウハウを教えてくれたので、 行政手続きに翻弄されたことはありません」 と言う介護者もいれば、 「ケアマネって何をしてくれる人なのかわからない」 「どこまで頼っていいのかわからない」 と感じている介護者もいます。 「いいケアマネ」に出会うのは「運」ともいわれていますね。 でも、運任せでどんなケアマネに当たっても黙って受け入れていいのでしょうか? ケアマネに対しても、アイディアや提案がたくさん出ました。 ◆ケアマネの評価サイト  「医療系に強い」「行政手続きはお任せください」「元介護者でした」  などの得意分野や実績の情報を公開してくれたら選びやすい。 ◆担当ケアマネを定期的に見直せるシステム  介護度は初めは半年で見直す義務があるように、ケアマネも初めは半年で見直したい。 ◆ケアマネからの積極的な情報提供・提案  どのような社会資源を利用可能なのか、要介護者の状況に見合う提案をしてほしい。 「いいケアマネ」をどうやって見定めるか、経験者だからこそ重要さを知っています。 ひとりで介護をしている人にはケアマネの存在は大きいです。 ケアマネの裁量で介護環境が左右されるのは、やっぱり納得いきません。 ケアマネの職務範囲(どこまで頼めるか)、 介護者が知っておくべき情報(手続きに必要な書類や介護サービスのリスト)、 そんな基本的で重要な情報を書面にし、最初の打ち合わせで必ず説明するという手順が 義務化されるべきかもしれません。

後日、参加者から嬉しいメールが届きましたので、一部をご紹介いたします。

単なる交流会というよりも、働くことと介護といったような 焦点をしぼった話し合いというのは非常に話もしやすいし、 また建設的になれるなと思いました。 和氣さんが皆に公平に話を振ってくださったし、また、ここぞというところで、 きちんと牧野さんがフォローや知識を入れてくださっていたのが、参加者としても、 ただ話してスッキリというのではなく、持って帰れる情報があったし、 さらに、何だか自分の経験や考えが社会の役にも立つのかもしれないと思えて、 嬉しく、充実した気持ちになりました。